材料別:フレームの特性

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・アルミ合金 ・クロムモリブデン鋼
 現在主流ある二種類の材料について、機械的性質から自転車におけるフレームの特性等を紹介していきたいと思います。

アルミ合金フレーム


 アルミ合金(加工用アルミ合金)とは純アルミ(Al)にマグネシウム(Mg)・亜鉛(Zn)・ケイ素(Si)・銅(Cu)などを加え、熱処理を施すことで軽量性・加工のし易さ・耐食性に優れるというアルミ本来の性質と強度を両立させた合金です。


 自転車には主に高力用アルミ合金の7000番台と稀に耐食用アルミ合金の6000番台の2種類が用いられ、 7000番台はその名の通り非常に高い強度を持ち合わせた合金で、航空機・車両の構造部品・機械部品等に使用される硬い合金です。ただ、銅(Cu)を含むので耐食性はそれほど強くなく、腐食されると表面が白く濁ってきます。その腐食に対するためクロム(Cr)・亜鉛(Zn)などを添加し応力腐食割れを防止しています。
 代表格の7075はアルミ合金中最強の強度を持ち「超々ジュラルミン」と呼ばれています。


 6000系もその名の通り耐食性と強度・溶接性、共にバランスのとれた合金です。代表合金に「6016」「6063」などがあり前者は構造用、後者は建築冊子等に使用されています。現在はどうなっているか分かりませんがジャイアントの一部MTBに6000番台のアルミ合金が使われていたと思います。


 ・軽い
 アルミに他の金属を加えたり、チューブの肉厚を増すこと(メガアルミチューブ)することによって強度を上げ、それに重ねて熱処理を施すことにより強度が数倍増ます。アルミはもともと金属の中で比較的比重の小さい金属なので「軽い」「硬い」という特徴を持ったものとなります。
 ・乗り心地が硬い
 そもそも乗り心地が硬いというのは、アルミ自体の性質(ヤング率が低い)によるものであり、利点に挙げた「軽いフレーム」を作った代わりに出てきた欠点と考えるとわかりやすいと思います。
 ・外見上錆びない
 「外見上」というのがポイントです。実際空気中で酸化していないアルミというのはほとんど存在しないのです。空気に触れることですぐに薄い透明な酸化膜を作り(不動態化)そののおかげで、それ以上「錆びない(酸化しない) 」のです。アルマイト加工はこの特徴を上手く利用した加工法です。
 ・チューブに工夫が必要
 アルミは金属材料の中でもヤング率が低く、剛性が低い材料です。そのため、メガアルミチューブなどの工夫を施し剛性をあげてやる必要があるようです。
まぁ自分でフレームを作らない限り関係ありませんが;
 ・車種が豊富
 一昔前までは鉄系の材料を用いた自転車が主流でしたが、現在ではアルミの自転車が主流でしょう。MTBや、ロードレーサー。ハイテン鋼(ハイテンション鋼・高張力鋼)が主流だったシティーサイクルでさえもアルミのものが見られます。よって主流がこのアルミなので必然的に車種が豊富なのです。



クロムモリブデン鋼(クロモリ)フレーム


 クロムモリブデン鋼(SCM)。通称「クロモリ」です。炭素鋼(Fe+C)に約1%のクロム(Cr)添加し焼き入れ生を向上させた上で、さらにモリブデン(Mo)を約0.25%添加することにより一層焼き入れ生を向上させた合金です。焼き戻しによる軟化も起こりにくいうえ、焼き戻し脆さも少ない、優れた合金です。構造用合金鋼の中で最も多く使用されています。しかしクロム(Cr)を含むステンレスでない鉄系合金なので保管する環境や扱い方によっては錆びがでてきます。


 一般的に知られている性質としては、高温で加工しやすく、仕上りが美しい、溶接性がよく信頼度も高い、錆びる、などなど。鋼の中でも良質の合金だと思います。クロモリフレームは自転車の歴史の中で最も古くから使われているもので信頼性が高く、長・短所についてさまざまな意見があります。
 重量面ではアルミ合金にかなり劣りますがその乗り心地、持ちのよさなどからクロモリフレームの評価はかなり高いものと思います。 自分も含め錆に対してシビアに考えてしまう方も少なからずいると思いますが実際、そんなにシビアなものでも無いなと考える今日この頃であります。
(「防食について」を参照)


 ・ショック吸収性に優れる
 これはどうこう言うのではなく、クロモリフレームの自転車に対し「乗り心地がいい」という意見が多いようです。数値(ヤング率)を見てもを見てもアルミ合金と比べ、かなり「しなる」合金です。ただ個人個人のフィーリングだけの評価ではなさそうですね。
 ・錆びる
 先述した通り、保管環境や使用状況によっては錆びます。表面だけでなくチューブの裏側からでも錆びることはあるので注意が必要です。鉄は錆が触媒になって錆が侵攻していきます。なので錆は完全にヤスリ等で削り取ってから再塗装(タッチアップ)してください。
 ・加工性に優れる
 フレームビルダーの扱うフレーム材料にクロモリが飛びぬけて多いのはこの加工性(削ったり溶接したりするし易さ)が関ってくるのでしょう。金属の性質を変える熱処理もクロモリのほうが容易です。
 ・重い
 クロモリといえど「鉄」です。重さはアルミと比にならないでしょう。それなりに軽いクロモリフレームを求めると高価なものになってきます。
 ・安い
 現在、それなりのクロモリフレームは大変高価なものですが、フレームを構成するクロモリ鋼自体が比較的安価なのです。その差が高級クロモリフレームの証かもしれません。完成度の高さがそのまま値段に出ているようです。



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 ヤング率(GN/mm2) 
 引張り強さ(MPa) 
 密度(g/mm3) 
アルミ合金(7000系)
69-79
345以上
2.6-2.9
クロモリ(低合金鋼)
200-207
834以上
7.9



アルミ合金
利点
軽い
外見上錆びない
車種が豊富
欠点
乗り心地が硬い
チューブに工夫が必要
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クロモリ(低合金鋼)
利点
ショック吸収性に優れる
安価
加工性に優れる
欠点
錆びる
金属疲労が顕著
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